千環協行事開催報告(速報)   2022年1月21日


千葉県環境計量協会
技術委員長 野田典広
教育・企画委員長 箭内朋子

2021年度実務者技術フォーラム開催報告

 新型コロナウィルス感染拡大は、2021年夏は第5波と呼ばれる感染拡大期となり8月20日には1日当たりの新規陽性者数が全国で2万5871人と過去最多となりましたが、その後収束に向かい、8月2日に発令された第三回目の緊急事態宣言も9月30日には解除となりました。2021年度実務者技術フォーラムについては、感染防止対策をとったうえで会場参加も可能と判断し、会場とZoomによるオンラインをハイブリッドで実施しました。

 2021年度実務者技術フォーラム開催要領 

1.日時:2021年11月26日(金)14:30~受付、15:00開始
2.場所:千葉市民会館 3F特別会議室2 (千葉市中央区要町1-1)およびZoomによるハイブリッド会議
3.進行:
 15:00~15:05 開会挨拶   福田会長
 15:05~15:25 第42回共同実験(クロスチェック)取りまとめ報告
                   野田委員長
 15:25~16:20 技術討議
    Zoom参加で1グループ、会場参加で1グループ、計2グループでの討議となりました。
    ① 今回の共同実験について
    ② 基準値強化される六価クロム分析への対応
    ③ その他、分析・計量に関する課題
 16:20~16:35 各班討議内容の発表  各班代表者
 16:35~16:40 閉会挨拶    野口副会長

 


◇ ◇ ◇ ◇ 概要】 ◇ ◇ ◇ ◇ 

参加者:
 千環協理事:福田茂晴、野口康成、平山千恵子、川口弘樹、安田喜孝、野田典広、柴田美保子、内野洋之、川添公貴
 事業所:(五十音順)イカリ消毒㈱、AGC㈱千葉工場、㈱加藤建設、㈱太平洋コンサルタント、㈱千葉分析センター、中外テクノス㈱、(公社)船橋市清美公社、㈱ユーベック、菱冷環境エンジニアリング㈱

1.会長挨拶(福田茂晴)

 千葉県環境計量協会会長の福田です。年末に向けてお忙しいところ、実務者技術フォーラムにご参加いただきありがとうございます。
現時点では新型コロナウイルス感染症は収束状況にありますが、12月になるとワクチンの効果が薄れ、年末の飲食の機会が増えることから、新型コロナウイルスの感染者が再拡大し、感染の第6波が来ると予測される報道がありますので、引き続き感染症対策を徹底していただきたいと思います。
昨年度に引き続き今年度も千環協の行事はほとんど実施できていない状況ですが、現在新型コロナウイルスの感染者が大幅に減少していますので、本日の実務者技術フォーラムは会場開催とZoomによるオンライン開催をハイブリッドで開催することにしました。
 本日のフォーラムでは、水中のトリクロロエチレンの共同実験結果につきまして報告していただき、その後各班に分かれて共同実験に関する意見交換、基準値強化される六価クロム分析への対応、その他、分析・計量に関する課題について活発な討論をお願いします。
 短い時間ではありますが、本日参加されました皆様の業務の参考になれば幸いと思っております。
本日はよろしくお願いいたします。


2.第42回共同実験(クロスチェック)

     水中のトリクロロエチレン(2水準)
  結果報告 技術委員長(野田典広)
  ・VOCとしては、当協会初めての試み
  ・配布した試料は、バッチ法により作製した。バッチによるばらつきはおおむね10%以下である。
  ・Zスコアは良好だった。
  ・ほとんどの機関が、HS-GC-MS法にて分析しており、高濃度の試料2の希釈について悩んだ機関が多かった

3.実務者技術フォーラム

   (Zoom班:代表 椎葉裕)(会場班:代表 山本陽子)
   ① 今回共同実験について
   ② 2022年4月1日より水質基準値強化される六価クロム分析対応
   ③ その他

4.閉会挨拶(野口康成)

 


2021年度実務者技術フォーラムでの討議概要(Zoom班)

①トリクロロエチレン共同実験
・普段は排水の分析が多いが、今回も特段気にすることなく、通常通り分析した。
・ある事業所は3人でそれぞれ分析を行ったが、分析値は10%程の差しか見られなかった。
・内部標準添加法も実施している。
・メタノール添加用のマイクロシリンジは、専用化している事業所が多く、洗浄は、メタノールを用い、パージ等も十分行っている。

②六価クロムの基準値強化対応
・50㎜セルを用いることで対応することがほとんどとされる。
・新しい分光光度計を導入する機関もあるようである。
・新しい基準値の1/10の0.002mg/Lの定量は困難であり、必ずしも定量下限値は、基準値の1/10もとめているものでもない。
・還元物質の影響を考慮し、硫酸添加した後、すぐにジフェニルカルボノヒドラジドを添加している。
・硫酸添加後のジフェニルカルボノヒドラジドを添加するまでの時間は、規定がなく、「時間により影響がある」という文献もある。

2021年度実務者技術フォーラムでの討議概要(会場班)

① トリクロロエチレン共同実験
・VOCの分析は、試料が到着した後、どのくらいの日数で分析しているか?
JISには「ただちに」という規定もあるが、概ね1週間以内であった。
・トリクロロエチレンは、揮発性があり、すぐに揮発するというイメージがあったが、密栓された水中では意外に揮発しにくいという意見があった。
・標準物質をどの程度の期間使用しているか?
希釈調製した希釈液を密栓瓶中に保管し、3カ月程度で更新しているという意見があった。
・VOCに関してホールピペット、マイクロシリンジ等については、洗浄はメタノールを用いる。採取容器はパッキンが汚染源となるため、外して洗浄を行う。
・日常、希釈する試料はなかなかなく、今回、メスフラスコを用いゆっくり希釈した。バイアル瓶の中での希釈試料調製手法もある。
・標準調製をヘッドスペースバイアル内で行う手法が紹介された。
・塩析用の食塩の取り扱いについて、JISでは加熱処理が規定されている。
・JISでは検量線においてブランクの面積値を差し引く規定となっているが、分析ソフトが対応していないことがある。

② 六価クロムの基準値強化対応 ・時間切れで議論できなかった。

③ その他
・大腸菌群数の環境基準が見直され大腸菌数となるが、大腸菌群数の排水基準の変更はない。


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野田技術委員長の進行で開催

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会場の様子

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Zoom班と会場班

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オンライン班の報告

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会場班の報告

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野口副会長挨拶